埼玉政経懇話会の4月例会が18日、ホテルブリランテ武蔵野(さいたま市中央区)で開催され、第一生命経済研究所の柏村祐主席研究員(51)が「暗号資産、NFT、メタバースがビジネス市場にもたらす変革」と題し講演した。柏村氏は仮想現実(VR)や人工知能(AI)を活用したビジネス展開の方法や事例を研究している。  

講演では「生産年齢人口が減っている日本では、人間が人間しかできないことをやり、それ以外はAIを使うなど、企業の稼ぐ力を維持する方法を考える必要がある」と指摘。

米国の国内総生産(GDP)やデジタル投資額と比較し、「日本は1990年代からデジタルに予算を割かず、投資額が増加していない」とGDPの停滞との関連を推測した。

暗号資産や複製不能なデジタル資産「非代替性トークン(NFT)」については、「取引が活発化すれば海外からの流入により経済成長につながる」と利点を説明。一方で、インターネット上の仮想空間「メタバース」は「IT業界など一部では活用されているが、バーチャルオフィスや仮想空間上での取引は一般的には浸透していない」と話し、「デジタル市場拡大のために、まずはメタバースを活用したサービスを展開し多くの人に体感してもらうべきだ」とした。